肺炎球菌ワクチンについて
- 院長

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肺炎球菌ワクチン、自費で打つなら「プレベナー20」vs「キャップバックス」どっち?
今回は、2026年4月から定期接種のルールも大きく変わる「肺炎球菌ワクチン」について解説します。
特に、「定期接種の対象外だけれど自費で打ちたい」「より効果の高い方を自分で選びたい」という方に向けて、日本感染症学会の提言(2026年4月1日版)に基づいたプレベナー20とキャップバックスの比較について触れます。
1. 肺炎球菌ワクチンを打つ意義
肺炎球菌ワクチンを接種する目的は、「肺炎の予防」と「IPD(侵襲性肺炎球菌感染症)の予防」の2段階にあります 。
特に重要なのがIPD(侵襲性肺炎球菌感染症)の阻止です。IPDとは、本来は無菌状態であるはずの血液や髄液の中に肺炎球菌が侵入し、敗血症や髄膜炎などを引き起こす非常に重篤な状態を指します 。高齢者や持病のある方がIPDを発症すると、命に関わるリスクが格段に高まるため、これを未然に防ぐことがワクチンの極めて重要な役割です
2. 肺炎球菌ワクチンの種類
従来の予防のための定期接種では、ニューモバックス(PPSV23)が使われていました。しかし、このワクチンは1年後からその予防効果が減弱し、5年後にはIPDの予防効果が74→15%となってしまいます。このため、5年後の再接種なども行われてきました。
しかし、より長期間効果が持続するワクチンの登場により、現在は基本的にニューモバックスの接種は推奨されれなくなり、推奨される接種の仕方は下の図のようになっています。

・2026年4月1日から始まった65歳を対象とする定期接種においては、PCV20(プレベナー20)で接種が行われます。
・65歳以外の方については、自費で接種するならば、ワクチンを打ったことが無い人、打ったことがある人共に、PCV20(プレベナー20)かPCV21(キャップバックス)が推奨されています。
この2つのワクチンの違いをまとめました。
項目 | プレベナー20 (PCV20) | キャップバックス (PCV21) |
カバーする型の数 | 20種類 | 21種類 |
特徴 | 小児用をベースに、大人の主要な型を追加 | 大人に特化した設計。高齢者で増えている型を重点的にカバー |
日本でのカバー率 | 約50%(IPD原因菌) | 約80%(IPD原因菌) |
定期接種 | 2026年4月〜 定期接種に採用 | 任意接種(2026年4月時点) |
プレベナー20(PCV20)
プレベナー20は、2026年4月から定期接種に採用された「標準」となるワクチンです 。これまで使われてきた結合型ワクチン(PCV13など)の実績を継承しつつ、カバー範囲を広げた信頼性の高い選択肢です 。
キャップバックス(PCV21)
キャップバックスの最大の特徴は、「大人の感染症(IPD:侵襲性肺炎球菌感染症)」に特化して開発されている点です 。 小児の定期接種が普及したことで、子供がよくかかる型は社会全体で減りましたが、逆に大人の間では別の型による感染が増えています。キャップバックスは、そうした「今、大人が注意すべき型」を効率よくカバーしており、そのカバー率はプレベナー20を大きく上回る約80%と報告されています 。
3. プレベナー20とキャップバックスのどっちが良い?
感染症学会の提言を踏まえると、以下のような判断基準になるかと思います。
「プレベナー20(PCV20)」が向いている人
定期接種の対象(65歳)となる人
定期接種として受けられる場合は、公費助成があるため自己負担が少なくなります 。茨木市は6,000円の自己負担となります(詳しくはこちら)。
これまでの実績を重視する人
アメリカでは2021年から65歳以上の成人に接種が推奨されており、安全性に関するデータが蓄積されている安心感があります 。
「キャップバックス(PCV21)」が向いている人
より高い予防効果を期待したい人
原因菌のカバー率が約80%と非常に高いため、予防効果が優れている可能性があります(直接感染予防効果を比較したわけではないため、理論的には、です)
4. 接種のタイミングと注意点
既接種者の場合:すでに他の肺炎球菌ワクチン(PPSV23やPCV13など)を打ったことがある人でも、1年以上の間隔を空ければプレベナー20やキャップバックスを接種することが可能です 。
再接種について:現時点では再接種(2回目)に関する十分なデータはないため、今後の情報を待つ必要がありますが、一生に1回の接種で良いのでは、と考えられています。
5. 副反応について
STRIDE-3試験(第III相臨床試験)において、18〜49歳の成人を対象に実施された直接比較データに基づき、副反応の発生率をシンプルにまとめてみました。
二つのワクチンの間で大きな違いは無いと思われます。
副反応の項目 | キャップバックス | プレベナー20 |
注射部位の疼痛(痛み) | 66.6% | 71.2% |
疲労感(倦怠感) | 30.7% | 35.0% |
頭痛 | 26.0% | 26.6% |
筋肉痛 | 22.8% | 25.8% |
注射部位の腫脹(腫れ) | 7.9% | 11.2% |
関節痛 | 7.9% | 8.2% |
注射部位の紅斑(赤み) | 6.5% | 8.2% |
発熱(38.0℃以上) | 2.5% | 4.3% |
まとめ
自費(任意接種)で、より「今流行っている型」を広く防ぎたいのであれば、キャップバックス(PCV21)が有力な選択肢となります 。
一方で、2026年4月から定期接種となったプレベナー20も、従来のワクチンよりカバー範囲が広がっており、優れた選択肢であることに変わりはありません 。
当院での接種費用はキャップバックスが14,300円、プレベナー20が12,100円です。
ワクチンは取り寄せとなるため、お電話でのご予約をお願いいたします。
参考資料:
65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第8版 2026年4月1日)
(日本呼吸器学会 / 日本感染症学会 / 日本ワクチン学会 合同委員会)






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