「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」ワクチン助成が始まりました
- 院長
- Apr 1
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Updated: Apr 9
皆さんは「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」という病気をご存じでしょうか?
日本人の約3人に1人がかかると言われていますから、身近な方でかかったことがある方も多いと思います。
これは、子どもの頃にかかった「水ぼうそう(水痘〔すいとう〕)」のウイルスが、長い間からだの中にひそんでいて、年をとったり、体の免疫力(めんえきりょく)が下がったときに再び活動を始め、皮膚に水ぶくれや痛みを引き起こす病気です。
加齢とともに増える帯状疱疹
実はこの帯状疱疹、50歳を過ぎると発症する人がぐんと増えてきます。日本人の約3人に1人が一生のうちに一度はかかると言われており、特に高齢になるほどそのリスクが高くなることがわかっています。(※1)

「帯状疱疹後神経痛(PHN)」は高齢の方がなりやすい
帯状疱疹の皮膚症状が治まったあとも、神経に強い痛みが残ることがあります。これを「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼び、ちくちく・ズキズキする痛みが何か月、時には1年以上続くこともあります。
高齢の方ほどこの神経痛が出やすいと言われています。(※2)

帯状疱疹はワクチンで予防できます
現在、日本では帯状疱疹を予防するワクチンとして、2種類が使用可能です。それが「生(なま)ワクチン」と「組み換えワクチン」です。
項目 | 生ワクチン(ビケンなど) | 組み換えワクチン(シングリックス) |
接種回数 | 1回 | 2回(2か月あけて) |
帯状疱疹後神経痛の予防効果 | 6割程度 | 9割以上 ※3 |
使用可能年齢 | 50歳以上 | 50歳以上 |
免疫が弱い方への使用 | 使用できない場合あり | 使用可能 |
当院では「組み換えワクチン」のみを採用しています
当院では、基本的に組み換えワクチン(シングリックス)のみを取り扱っています。
2回接種が必要で、注射のあとに腫れや痛みが出ることもありますが、数日でおさまり、多くの方にとって安心して受けられるワクチンです。
2025年4月から助成が始まりました
組み換えワクチンは効果が高いのですが、費用が高いことがネックでした。しかし、2025年4月より、帯状疱疹ワクチン接種に助成制度が設けられました。
2025年度は、今年度に65.70.75.80.85.90.95歳になる方、100歳以上になる方が対象です。
茨木市では、22000円の自己負担で接種が可能です(11000円×2回)。
当院でも、助成制度を利用した接種のご案内が可能です。
茨木市以外の方は自治体にお問い合わせください。
吹田市の方 https://x.gd/pLPzG
助成の対象の方にはハガキが届きますので、接種を希望される方はこちらで予約いただくか、当院までお電話(072-657-8169)いただくか、受付にてお声がけ下さい。
院長からのひとこと
帯状疱疹は、高齢の方にとって決して他人ごとではない病気です。ワクチンで予防することで、つらい痛みや生活の不自由さを避けられる可能性が高まります。
特に助成を利用して接種する機会は限られています。この機会にぜひ一度ご相談ください。
皆さんが痛みで悩むことが無く、楽しく毎日を過ごせるよう、これからもサポートしていけたらと思っています。
※1 Toyama N, J Med Virol. 2009
※2 Yukiko Takao, J Epidemiol, 2015
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